ISPO2017で気になったギアの一つ。
エーデルリッドは昨年からバレットプルーフ・・・つまり防弾カラビナなるシリーズを作っています。
今年はHMSのカラビナが紹介されて、注目が高まっていますね。
防弾カラビナシリーズ!?
バレットプルーフっていう名前ですでに販売されていますが、ウォータープルーフが防水なので、バレット。つまり防弾って感じなんですが~・・・たぶん、完璧な防御性みたいなイメージで用いられていますね。去年にも少し紹介しましたが、バレットプルーフは画期的なカラビナです。
通常用いられているカラビナはアルミニウムで作られています。アルミの弱点は柔らかい。熱伝導がよい。という点ですが、それらを補助するために最も損傷してしまう部位に強度の高いステンレスを併せるという凄いカラビナをエーデルリッドは作ってしまいました。
アルミニウム vs. スチール
アルミニウムとスチールの違いについて簡単に復習しましょう!- アルミニウムはスチールに比べて強度が1/3
- スチールはアルミニウムに比べて強度が3倍
- アルミニウムはスチールよりも熱伝導がよい(摩擦熱を蓄えやすく放熱しやすい)
- スチールはアルミニウムよりも熱伝導が低い(摩擦熱を蓄えにくく放熱しにくい)
- アルミニウムはスチールよりも軽い(アルミ:2.71kg/m3)
- スチールはアルミニウムよりも重い(スチール:7.93kg/m3)
つまり、クライマーが通常用いているカラビナには以下のような弱点があります。
- ロープとの摩擦でカラビナの消耗が激しい
- ステンレス製のプロテクションとの接触で簡単に削れ、消耗する
これらの理由から通常はジムで用いられているカラビナ類はステンレススチール製が多いです。
アルミよりも耐性があるスチールが岩場等で用いられていない理由はその重さにあります。
軽い=正義ですよね?
あれだけハーネスの重さを気にするのに、カラビナの重さを気にしないはずがありません
エーデルリッド・バレットプルーフ
そこでアルミニウムの弱点を克服した夢のカラビナ。バレットプルーフですが~・・・
最も接触する部位にスチールを張り付けてステンレスの弱点を補っています。
さらに、補強部位を狭くすることで重さに対する影響も限りなく少なくしています(ゼロではない)
バレットプルーフの特徴は・・・
- ハンガーとの接触によるカラビナの損傷を軽減する
- ロープとの摩擦によってカラビナの消耗を軽減し、試用可能期間を延長する
- プロテクションとガルバニックコロージョン(異なる金属の接触による腐食)の発生を防ぐ
3番目の項目はそれほど長期間にわたって残置しなければ問題ないと思いますが(マナー的にも)、一応そんな恩恵もあずかれるはず?
そして、今年はHMSにも着手してきました。
ビレイ向きのHMSカラビナですね。パレットプルーフ・HMSです。
ただ、ロープ摩擦にも強いのでトップロープなどにも使え、汎用性は高いです。
HMSをパレットプルーフにする理由は様々ですが、通常ビナタイプよりもオススメできると考えます。
理由としては・・・
通常ビナのパレットプルーフは基本”核心部分(フォールが多い)”で使用になります。あるいは、1ピン目(屈折&摩擦抵抗が高い部位の一つ)になりますね。
一方で、HMSは毎回のビレイ時に使用するため、かなりの頻度で摩耗します。
また、ムンターヒッチなどで下降する機会などがあれば、ビレイよりもかなり高い消耗になります。
まとめ
パレットプルーフは耐摩耗に強く、長期にわたって用いることができる高強度のカラビナです。メリットも大きいですが、その分デメリットもあります。
初めて買うならこのHMSビナはオススメです。
主なデメリットは:
- 価格が高い(安いビナと比較して)
- 若干重くなる
ということでしょうか。価格も紹介しましょう。
パレットプルーフ・カラビナ
$13.95や£10をよく見かけました。日本円にすると
1500円前後/枚
約54g/枚
になります。
ちなみにその他の情報・・・
メジャーアクシス:24KN
マイナーアクシス:8KN
オープンゲート:8KN
パレットプルーフ・HMS
2018年春夏発売(価格不明)
重さ:80g
メジャーアクシス:23KN
マイナーアクシス:8KN
オープンゲート:7KN
ということでした。
これ、終了点の残置にするともしかしてガルバニック・コロージョンで・・・・
返信削除終了点の残置!贅沢な話ですが、スチール面はロープに接しているので、ガルバニック起こしそうですね(笑)いったいどちらをラッペルステーションに接触させるのがよいのか・・・オールステンレスのビナが正解なのでしょうが、現実そういうわけにもいかず・・・という難しい問題を感じますね!?
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