過去にスタティックビレイによって怪我を経験した人はどれくらいいるだろうか?
僕も同様に経験がある。
いつもヌンチャクからロープが出ていない状態でフォールするわけではなく
時にはヌンチャクからロープが2m、3mと出た状態でフォールすることもあるでしょう。
しかしどんな時であれ、ビレイヤーの技術によってクライマー・ビレイヤーの双方の怪我の発生率は格段に減るでしょう。
事故や怪我はない方がいいです。
しかし、いつも安全なクライミングができるわけではない。クライミングをする以上、私たちは常に怪我や事故について考えていなくてはいけない。
よくある怪我
僕の経験談ですが、最終ピンにクリップした後、終了点に到達したが終了点にクリップする時にスリップして落下した。その時、ビレイヤーはスタティックビレイをして、僕の滑落を止めたが、最終ビナを支点にブランコ状態になり
落下エネルギーはすぐさま壁に向かうエネルギーに変換され、僕は壁に激突した。
この時僕は足が折れたと思ったが、なんとか骨折にはならずに済んだ。
こういったシチュエーションは実際にはよく見かけます。
多くのクライマーも経験があるのではないでしょうか?
最近見かけたこの動画はとてもいい動画だったのでここでも紹介したいと思いました。
撮影者の彼女は実際にトンサイでクライミング中にスタティックビレイによって腰を壁にぶつけて怪我を負ってしまった。
その経験から、このカップルは複数回に分けてクライミングのビレイについて考察している。
そのテーマになってから3回目のアップロードでかなりまとまってきました。
動画投稿者の彼女が壁に激突した瞬間。
骨折していてもおかしくない画です。
動画の中では、物理の法則について簡潔に最初に説明していますね。
皆が知っていることだと思いますが、物体の落下速度に比例してエネルギーも増加します。(前提)
スタティックビレイ時のクライマーのエネルギー推移
動画の中でとても分かりやすいシーン。
最終支点から0.5m、1m、3mロープがでた3つのシチュエーション。
スタティックビレイ時の落下スピード推移が出ています。
青:完全にスタティックビレイの状態
赤:だらりんビレイの状態
オレンジ:上記の中間
中央の点線は支点の位置を示しています。
赤いエネルギー推移の線は、青の線と比較して落下中のスピードとエネルギーが上昇しているのがわかります。
その結果、赤い線は青い線と比べて落下エネルギーが振り子になって抜けるまで時間がかかっています。
しかし、興味深いことに中間支点を通過時のスピードそれほど差異がありません。
しかし、0.5m、3mと距離が異なるとエネルギーがずいぶん異なります。
ロープがビナから出ているほど支点通過時にはスピードが遅くなっているのがわかります。
このことからもスタティックビレイはクライマーの落下に対する準備時間を少なくしてしまうため避けるべきだと考えています。
注目ポイント
この実験の問題であり評価するべきポイントは、”人で実験してる”ということです。
危険?もちろん、そういう意味もありますが、人で行っていることで様々な要素が関係していることです。
ビレイヤー/クライマーの体重比
ロープの伸び率
ビレイヤーの浮き上がり
単純に考えてもそれらの要素が関係しています。
つまり、3mロープが出た状態での落下では、ビレイヤーが浮き上がり落下エネルギーを吸収しています。
エネルギー推移を見た際に、落下エネルギーが支点によって最大に達した時(ロープが張った時)にエネルギーを示す線がジャンプしたような形になっています。
エネルギーがいくつかの要素によって吸収されて方向を変えているのがわかりますね。
3mの落下ではクライマーが浮き上がったために、クライマーの落下にかかるエネルギージャンプが緩やかになったのがわかります。
ダイナミックビレイの影響
この図は同じ落下に対し、ダイナミックビレイのタイミングによるクライマーの動きの流れが全く違うことを示しています。
ダイナミックビレイの技術は経験によって差異がずいぶんあります。
ダイナミックビレイを教える人によって教わった側の技量にもずいぶん差が生まれるでしょう。
この図はダイナミックビレイの技術による差を表しているとも言えますね。
この図は適切なダイナミックビレイのタイミングを考察した図です。
左半分のフラットな部分は 落下中
ロープにテンションがかかり始めると一気に荷重が増えます。
荷重がマックスになると反動によって荷重が解放されます(2つ上の図も参照)
最も荷重が解放されている瞬間にビレイヤーはジャンプすることが望ましい。とここでは考えていますね。
ダイナミックビレイによってクライマーの落下スピードは著しく異なります。
ロープを張った状態であっても、ダイナミックビレイによって支点通過時の落下スピードが著しく遅くなっています。
また、エネルギー曲線も緩やかな山形になっているのがわかります。
まとめ
ダイナミックビレイは基本的なビレイ技術の一つとして、登るグレードが上がるほどにみにつけておきたい技術の一つです。
この技術を身に着けることでクライマーにかかる負担は著しく減少するとともに怪我の予防にもなるでしょう。
ただし、ダイナミックビレイも岩の形状によって良し悪しがあるため、十分に注意すべきです。
特に、垂壁やスラブ壁ではダイナミックビレイは用いるべきか注意深く検討する必要があります。
私見では上記形状の壁(特にスラブ)ではクライマーが思わぬ足の怪我を生じる可能性があることからスタティックビレイを中心に行うべきと考えています。
安全なクライミングはクライマーとビレイヤーの双方で考えていきましょう
え?
話しが面白くないって??それはいつもの事。
簡単に話をまとめれば
ビレイヤーは、クライマーがフォールしてロープが引っ張られた”瞬間”に30cmくらいジャンプしろ~ってことです。
あとは棚にクライマーを落とさないように気を付けてください
話しが面白くないって??それはいつもの事。
簡単に話をまとめれば
ビレイヤーは、クライマーがフォールしてロープが引っ張られた”瞬間”に30cmくらいジャンプしろ~ってことです。
あとは棚にクライマーを落とさないように気を付けてください
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