気になったギア:スポートクライミング初心者にオススメのビレイデバイスとは?


DMMのくぱぁって開くやつ。


っていうアダルトコンテンツサービス会社じゃなくて、クライミング界のDMM。先駆的なアイディア商品が多いのですが、最新のビレイデバイスはくぱぁってします(今は販売していない?本家HPに掲載されていないみたいです)


はじめに



最近、クライミング人気の高まりもあってか、少しずつスポートクライミングに興味を持っている人が増えてますね。

ロープクライミングに必要不可欠なビレイデバイス。初心者が1個目に買うべきもの、あるいは2個目にオススメできるものを紹介しておいて、参考になればいいなっていう記事を書いてみようかな。


昨今の技術開発は日進月歩の勢いで、いろいろなギアが出ているんですね。
この記事を書いた時には最新であっても、時間とともにこの指標は世間と合わなくなったり、事故などで変化を求められたりと・・・当てはまらなくなると思うんで、そこらへん注意して読んでほしいのです。

また、時代とともにギアが変化しているわけですが、昔の考え方をベースにしている人は、この記事が気に入らないかもしれないし、意見や見方、考え方が違うかもしれない。

安全っていうのは究極な形はないわけで、いろいろな見方によって安全が危険になるかもしれない。

それは当然のことなので、ある程度は寛容に、常識的に、そして客観的に読んでもらえれば。気に入らないことがあれば、その旨を周囲の人に伝えて、間違いを訂正して反面教師として記事をつかえばいいかな。


スポートクライミングのビレイデバイス


数年前まで、初心者が選ぶべきビレイデバイスといえば、チューバー型一択だったと思います。その時代の人達ならば、ダブルを勧められた人も多いんじゃないかな。

そう。最も基本的なビレイデバイスはチューバー型。ロープを繰り出しやすく、ロックしにくい。そして、制動解除も容易。

チューバー型はシンプルな構造で、周囲の人がロープの接続などのミスを発見しやすいもので、事故予防にとても役立つ機器。

一方で、制動力が”比較的”弱いので、落下するクライマーを止めるためにある程度の力が必要。特に体重差がある時。

そのため、未熟なビレイヤーでは、クライマーの落下距離が大きくなってしまい、バンドや岩の突起などにぶつかるリスクファクター(危険因子)があった。

そこで、無駄な(?)ロープの流れ(出ていく)を防止するために、溝の入ったチューバー型も多く出てくるようになった。それによって、リスクを大幅に軽減することができたのだが~・・・

チューバー型のもう一つの欠点は解消しきれなかった。
もう一つの欠点は、クライマーの滑落を止めた後、ロープがそれ以上出ないようにするためにはビレイヤーはある程度の力が必要なこと。ハングドック(登り返し)やテンションした状態でムーブ確認などをされると、ビレイヤーの力はどんどん消耗されていくでしょう。

ビレイヤーの力の消耗は順番でルートにとりつくことを考えると嫌ですよね。一方で、クライマーにとっても、テンションをかけてもらっているのにズリズリとロープが出てくるのは気持ち的にもお互いフラストレーションがたまります。

それを解消するために、他のギアやいくつかの方法があるのですが、ここでは言及しません。


チューバー型の更なる進化形

セミオートなどとも呼ばれますが、チューバー型をさらに進化させた形は昨今利用者が多いでしょう。

従来のチューバー型はロープの屈折とカラビナとの摩擦によってロープに制動をかけていました。摩擦による抵抗によってロープを止める。これは基本原理。

それによる欠点は上記で説明したが、それらを解消する新たなタイプがこれ。ニュータイプ。

ブラックダイヤモンドはパイロットという名前ですが、それ以前にも他社から開発されてた。

 マムートのスマート
 エーデルリッドのメガジュル
クライミングテクノロジーのアルパインアップ

その他にもありますね。
これらのデバイスはブレーキアシスト機能を有しているので、チューバー型よりもはるかに強い制動力がある。

その理由は、摩擦抵抗によって制動をかけるチューバーに対し、これはロープを挟むことで制動を掛けるから。

それによってビレイをしている人が強くロープを保持しておく必要がなく、弱い力でも強い制動力を発揮することができる。

また、良い点として、チューバー型に追随した形なので、構造が単純という点。
ただし、ロープの繰り出しはチューバー型よりも難しい(ロックしやすい)ので、コツを得るための練習が必要になる


それよりもさらに制動力を強く発揮したのがオートロック・ビレイデバイスとも呼ばれる器具だ。代表的なのはおなじみペツルのグリグリだね。

グリグリは意外と歴史が古くて、上記のブレーキアシスト付きデバイスよりも以前に開発されている。

チューバーよりも強い制動力を発揮するビレイデバイスとして位置づけがあった。

このタイプのビレイデバイスは、最も強い制動力を発揮するタイプ。

例えばテンションがかかった状態で、ビレイヤーはロープから手を放しては絶対にいけないが、仮にロープから手を放してもほぼロープが流れ出ることはない。経験的に。もちろん、ロープが出ることには気を使っているが。ブレーキアシスト付きデバイスではそうはいかない。

もっとも強い制動力を生むので、クライマーが落下した際にロープがガチッと止まる。
その分、ビレイヤーは体の動きでロープの流れをコントロールしなくてはいけないのがネック。ロープが止まるからといって、決して安全ではない。(ロープが流れるよりいいけど)

オートロックの利点は:
○強い制動力
○テンションした際、滑落した際のビレイが楽
○体重差がある場合(ビレイヤーが軽い)に特に有効

であるが、反面不利な点は:
○ロープを繰り出しているときにロックする(未熟)
○ロープがガチッと止まるので、ダイナミックビレイが必要(要熟練)
○構造が全く異なるので、砂や砂埃などに注意しなくてはいけない
○構造が分かりにくいので、知らない人にはきちんとできているか確認することが難しい

オートロックデバイスは初心者向きではないのがこの点でわかる。
だから、第一選択にはなりにくいし、ジムでは一部使用を禁止しているケースもある。

また、アシマちゃんのお父さん(ビレイヤー)がジム内で勢いよくアシマちゃんを降ろしてしまって、グランドフォールの状態になったことも有名。これには、ビレイヤーが予想以上にロープが繰り出されていたためにパニックになったのでは?と推測されていた。

つまり、オートロック・デバイスでは、チューバーやブレーキアシストタイプとは全く違う注意を払わなくてはいけない機器である。

しかし、それは練習を重ねて熟達してくることで、デメリット以上のメリットを得るため、全くこれらのタイプを否定することはできない。

体重が軽い人ほどブレーキアシスト機能付きがいい?

デバイスを選ぶのに「絶対にこれがいい」というのはないのだが、いくつかの条件によって選ぶデバイスは異なる

○自分の体重
○手先の器用さ

自分の体重は最も大きな指標になるね。

あんまり体重が重いクライマーは多くないけれど、クライマーよりビレイヤーが軽い場合にはブレーキアシスト付きがオススメ。

逆に、自分の体重が周囲のクライマーやパートナーよりも重いならば、チューバー型のほうがいいかも(?)しれない

体重がクライマーよりも重い人は、クライマーがフォールしても体重で止めることができるので、チューバー型の欠点をあまり強く感じない。

逆に、ブレーキアシストやオートロックを用いると、デバイスの制動力が強い+体重が重いことで、クライマーをビタ止めしてしまうリスクが高まる。これは、逆にクライマーの方が怪我や腰痛を感じるケースが増えるからだ。(防ぐためにはダイナミック・ビレイを習得する必要がある)

クライマーよりも体重が軽い人は、クライマーの落下力が強く働くので、自然と1ピン目のハンガーに向かって引き寄せられる。そのために、クライマーはふわっと制動がかかるので腰痛リスクや落下時の衝撃体勢を作りやすい。


まとめ

初心者がスポートクライミングのギアを揃えるにあたって、3つのタイプのデバイスを紹介してみた。

ビレイデバイスの第一選択としてオススメしたいのは チューバー型 か ブレーキアシスト型 であろう。

それぞれで選ぶのに迷ったならば、個人的には ブレーキアシスト型 をオススメするが、体重などの要因にも気を配って適切に選んでみてください。

ちなみに僕が使っているのは マムートのスマート でブレーキアシストタイプ。ダイナミックビレイ・スタティックビレイを使い分けて、フォール時の落下距離はダイナミック・ビレイでコントロールしています。

でもワイルドカントリーのREVOが発売されたら、それを買う予定。あれよさそう。

手に入れたらレビューしようかな。

コメント