テクニック:前腕のトレーニング:拮抗筋を鍛える意味


ドイツといえばギュリッヒに由来するクライマーの聖地でもあります。ドイツといえばギミー・クラフトで有名なクラフト・カフェです。

一方で、Eric Horstといえばアメリカで有名なクライマーコーチですね。

Eric HorstのHPでは初級者から上級者まで幅広いクライマーに向けて情報発信をしていて、なるほど。と思う内容が詰まっています。

ボルダラーなら初段頃、リードなら12台頃を登るようになると自分に足りない技量や苦手な掴み方など様々な局所トレーニングに注目し始めるでしょう。

忙しくてなかなかブログ記事を更新できていないのですが、サクッと読めるものをピックアップしてみました。

拮抗筋を鍛える

動画のタイトルの通り、前腕(肘から手首にかけて)の拮抗筋を鍛える。をテーマに動画が作られています。

拮抗筋とは、主動筋の対なる筋肉のことで、主に動く筋とその反対には拮抗筋が存在しています。

例えば、ガバを掴んでいる 時には、指を握る筋(主動筋)がありますが、指を反らす筋(拮抗筋)は抑制(よくせい)されて伸びるようになっています。

逆に、指を開く 時には、指を伸ばす筋(主動筋)が働き、指を握る筋(拮抗筋)は抑制されて伸びるようになっています。

身体にあるすべての筋は主動筋であり、それに相対する拮抗筋が存在しています。

クライマーにとって 拮抗筋 とは多くの場合に、伸筋(しんきん)の事を指しています。この動画も例にもれず、手首を反らす、指を伸ばす筋の事を拮抗筋と呼んでいます。


拮抗筋を鍛える。というタイトルを見た時に、安間サチの動画を思い出しました。


当時の彼のコーチも拮抗筋について言及していた様子ですね。


拮抗筋を鍛える意義

クライマーが特に注目するのは「握る力」が主です。ほとんどの人が握る力を強化することに注力しているでしょう。

握る力が強ければ、細かなホールドも保持できると考えるからです。

しかし、現実は異なります。
経験を積んでいる人ほど そんな安易なものではない と考えるでしょう。

ジムと外岩では多少異なりますが、メンタル、体幹、技量、パワーコントロールと様々な要素が複雑に絡み合って 保持する という行為が出来上がっています。

しかしながら、ギュリッヒの名言を引用するならば

「パワーはあって有り余ることなどない」

という言葉の通り、パワーはあればあるほど良いです。過剰なパワーというのは存在しないそうですね。

話を戻しますが、拮抗筋を鍛える意義はどれほどの人が感じているでしょうか。


Eric Horstは

単純に言えば、プッシュする力は拮抗筋によるもの

と言っていますので、ボルダラーならマントルがあるので必要不可欠な力と言えるでしょう。リードにしてみてもプッシュをするシーンは多分にありますね。


頭上のホールドを保持し、身体を上げて、手首がホールドに近づく(追い越す)ほどに拮抗筋の力が必要

続けてEricはそう述べています。

ピンチも拮抗筋が重要


Ericは続けてピンチグリップもまた拮抗筋の影響が重要と述べています。
ピンチグリップをする機会は初心者では少ないでしょうが、中級者以上となれば用いる機会も多いことでしょう

特に大きなホールドになるほど求められる力であり技量でもあります。

ピンチが苦手、弱い。そんなことを感じる人たちは拮抗筋のトレーニングにも注目してもよいかもしれません。

様々なトレーニング方法





まとめ

クライマーの悪い習慣ともいえるトレーニング上の一つの問題は屈筋(曲げる)筋ばかりをトレーニングしてしまうことです。

屈筋と伸筋のバランスが崩れることで肘を傷める人も少なくありません。

一般アスリートならば社会生活もありますし、クライミングを長く続けるうえでトレーニングには偏りがなく試行錯誤していきましょう。


特に独自のトレーニングが中心となってしまいやすい一般アスリートや急激な成長を見せている学生・社会人アスリートたちにはこれらの問題には注意深くいてほしいものです。

Eric HorstのHPも参考にして楽しんでいきましょう




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