テクニック:パッキングを上手に行なって楽なアプローチを


普段はパッキングの上手な仲間らとともにクライミングに行くことが多いので、気にしていなかったが、先日ちょっとしたタイミングで昔の事を思い出した。


遠くの人と現地合流した僕は、友人が背負ったリュックをみて思わず吹き出しそうになった。


彼は背負ったザックが斜めに傾いていたのです。(画像は適当に拝借)

自分にも言いたいことですが、荷物のパッキングをいい加減にやっていると無駄やバランス悪くなって体力も必要以上に消耗するのです

パッキングテクニックはいろいろ好みがあり、山関係の本でしょっちゅう紹介されていますが、ネット社会の今ではネットから情報を得る人も多いでしょう?

僕がやっている(知っている)パッキングのコツをここでも紹介してみたいと思う。

初心者向きなので、上級者はいろいろとツッコミどころがあるかもしれないが、この記事を反面教師にしてコツを伝えてください。


パッキングの基本

クライミングに限らず、パッキングが上手になる根本的なコツがある。それは・・・

どこまでも丁寧に行うこと

に尽きる。

モノをたたんで入れる。

無駄な空間を作らないということですね。普段どれだけ丁寧に洗濯ものをたたんでいるのか、性格が出そうです。

ザック(タンス)は限られた空間です。家の中なら居住空間が狭くなるだけですが、クライミングとなると、ザックに入らないものは外に付けるか、手で持つしかありません。

荷物を持つということは、それだけでバランスが悪くなるのでエネルギーを消費しますね。

とにかく丁寧に荷物を たたむ ことでザック内の積載量に雲泥の差ができます。

まず声を大にして言います。 丁寧にモノを入れましょう

パッキングのコツ:入れる順番を考えよう

ここで言うザックは基本的に登山用のものを指しています。


たいていの人が40L程度のものを使っていると思います。


クライミング用のザックを使っていたり、最近流行りのメッセンジャーバック、ボトムバックなどを使っている人は少しパッキングのコツが異なるかもしれませんが、ここでは言及しません。


通常の登山用バックパックについて話しますので留意してください。


さて、40Lのザックを背負ってエリアまでアプローチするのですが、短い時間であれば多少の体力を消耗しようが気にしない!なんていう人も多いでしょうが、足場の悪いアプローチ、ガレ場、長距離となるとパッキング技術で体力の消耗は著しく異なります。

クライマーのほとんどが汗を嫌うと思いますので、アプローチで汗をかかずに行くにはパッキング技術は大きな助けになります。

駐車場から30分のアプローチ、登りが多い。と仮定しましょう。

ザック内に入れなくてはいけないものは・・・

○ロープ
○ギア類
○シューズ&チョーク
○ハーネス
○水
○食べ物(お弁当)
○衣類(着替えや防寒着)

となります。
それでは入れる順番を考えましょう。

1.ザックの底に入れるもの

ザックの底は、転んだり、ザックを地面に置いたりするため、地面からの衝撃を受けます。

そして、その衝撃を上に伝えない緩衝材の役割もあり、さらに上からの荷重にも耐えねばなりません。

そのため次のような条件が付きます。

絶対に壊れないもの(柔らかいもの)

です。
そして、ザックの底なので簡単には取り出せません。従って道中必要にならないもの。です。

そうなると候補となるのは・・・

○ロープ
○衣類
○水

となります。僕ならばロープを底に入れます。(ただし、ロープは一番上もアリ)
ロープを入れないならば、衣類やシート類を入れます。

水は”絶対に”底に入れません。その理由は後述します。

2.2番目に入れるもの

ザックの底に入れたら、モノによってはザックの中ほどになります。

重量は背中に近いほど重さを感じにくくなる

という法則が世の中にはありますから、僕はザック内の背中側に 水 を入れます。
ザックによってはこの位置にウォーターパックを入れる袋がついていたりしますよね。

水は背中に近い場所

は基本です。
しかし、この時点で背中の位置まで達していなければ?

次に入れるべきは底の法則と同様ですが、ザックの底には緩衝剤が入りましたので、次は・・・

○ある程度の衝撃には耐えられる
○壊れにくいもの
○重量があるもの

となりますので、次に入れるべきは ギア類 になります。

ギア類は”壊れにくい”ですが、衝撃をあまり与えたくありません。
ザックの底に緩衝剤となるものが入ったので、ギア類を次に入れましょう。

前述の水の事がありますので、「できるだけ背中側に近づけて」入れるのがポイントです。

3.ザックの中間部位に入れるもの

ギア類をいれてようやく背中側くらいまで荷物が埋まったら 水 を 背中側 に入れましょう。

この時点になって、ギア類、水の周辺にはスペースができていると思います。


ギアの両サイドや背負う側から最も離れた空間には

できるだけ軽くて柔らかいもの

を詰めましょう。
ここに入れるものは、小さくてたたみやすいもの、変形しても問題ないものです。

さらにこの領域には 転ばない限り ダメージを受けることはありません。

従って、クライミングシューズを入れたり、チョークバック、ハーネス類を入れるのに適しているでしょう。

4.3段目に入れるもの

だいぶザックが埋まってきているはず。
ここまで来たらもう最後の方ですね。入れるものも少ないでしょう。

この領域にいれる条件は以下のものになります。

○つぶれてほしくないもの
○壊れやすいもの
○すぐに取り出したいもの

例えば、お弁当はつぶれてほしくないので、最上段に入れるのが基本です。
中身が飛び出るものも同様ですね。

案外食べ物は重いので、やはり基本は 重いものは背中に近づけて 入れること。

お菓子である程度つぶれてもいいものやゴミなどをここに入れて中身が動かなくさせるのもいいですよ。

また、比較的大きいものですぐに取り出したいものを入れるのもいいです。例えば「雨具」ですね。

5.天蓋に入れるもの

最後に天蓋に入れるものです。ここに入れるものは決まっていますね。

○もっとも素早く取り出したいもの

です。例えば・・・

車のカギ、ヘッドランプ、ケータイ、カメラ、行動食

こういったものになると思います。重いものやすぐに必要のないものは入れません。

まとめ

今回は日帰りフリークライミングのパッキングについてピックアップしました。

これが正解ではありませんが、知らずに入れ込むぐらいなら参考にしてみてください。
初心者の人達の助けになれば。

僕の場合に重要視しているのは、重量のあるものはとにかく背中に近づける。という点です。

ただ、残念ながら僕のロープバックは大きいのでいつも肩から下げていて邪魔な存在になっています(笑)普段は胸で抱えているんですけどね。

何はともあれ丁寧なパッキングを心がけて綺麗なザックの形を作ってください。
綺麗で中心に重心があるザックは見ていて美しく、背負って軽い

そんなものになります。

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